近くに咳する坊やがいたら心配するくせに、近くにむせるジジイがいたらそっと立ち去るんだろ、みんな! と、やたら僻みっぽくなってるご同輩、こんにちは。館長です。
とにかくむせやすいんだよ、僕らジジイは!
背中をさすってくれとまでは言わんから、「大丈夫?」くらいは言ってから立ち去ってほしいんだ。
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「咳する坊や」高知県高知市の天神橋通商店街のお店
「咳する坊や」と聞いたときは、また例の変な店名ばかりの高級食パン専門店の1つか……と思ったんだけど、店舗写真を見たら、どうもそれっぽくない。
なので調べてみたら……
食パン屋とは全然違った!
咳しそうなオッチャンがやってる八百屋だった!
それはそうと、店名の由来は?
元々このお店は昭和55年に居酒屋として開店したのだが、10年以上前に居酒屋をやめて八百屋を始めたのだそうだ。
肝心の店名の由来だが、かつて店主が外国航路の船員をしていた頃、航海中の暇つぶしに読んでいたのが19世紀のフランス人作家エミール・ゾラの作品群「ルーゴン=マッカール叢書」で、その作品のひとつ「居酒屋」に登場する居酒屋の店名「咳する坊や」にちなんでこの名をつけたという。
当該作品に登場する酒場の名前には他に「洟をすする蚤」「小さな麝香猫」「お墓の帰りに」などがあるそうだ。
そこから「咳する坊や」を選ぶセンスといい、そもそもゾラの作品から選ぶインテリジェンスといい、とんでもない店主だ。
「咳する坊や」は「学ある坊や」だったんだ。