こういったものを読んで存外に悲しくなった自分がいて、平素思ってたより陛下のことが好きだったんだなぁ……と改めて気づかされたというご同輩、こんにちは。館長です。
去年の上皇陛下のお誕生日に際して公表された「上皇陛下のご近況について」がなぜか今になってRTされてきたので読んでみましたら、胸に迫るものがありました。
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宮内庁「上皇陛下のご近況について」を読んで
■ 上皇陛下のご近況について(お誕生日に際し)(令和2年) – 宮内庁
上皇陛下は,仙洞仮御所において87歳のお誕生日をお迎えになります。 仙洞仮御所はかつて高松宮邸として使用されていましたが,陛下は,ご疎開先からご帰京になった翌年の昭和21年2月,当時の高松宮邸をご訪問になっています。その頃,仮御所に隣接する高松中学校はまだ建設前で,その場所は宮邸の敷地内でしたが,陛下は,そこにあった大きな池に坂を下りて行かれたことを懐かしく思い出されていました。
ご体調については,幸いなことに特段の問題はありませんが,お年を召され,上皇后さまにいろいろとお尋ねになることが多くなられたようにお見受けします。
何度か繰り返されるご質問にもその都度丁寧にお答えになる上皇后さまと,それを聞かれご納得になるといつも明るい笑顔におなりになる陛下。時に,勘違いや戸惑いがあっても,一緒にお笑いになりながら,ご記憶を新たにされ,日々のご生活を確かなものとされています。
最大限の真心と尊崇の念を込めて丁寧に「認知症」というものを表現した美文だと、受けとめました。
もちろん、そのご高齢での認知機能うんぬんなど、陛下の尊厳を些かも毀損するものではありませんが、読んでいて涙が滲みました。
切なさが込み上げてきます。
切ない事実を粛々と流れるように美しくしたためた文章が、いっそう胸を苦しくするのです。
今にして思えば、あれ以上はないと感銘を受けるほどの引き際。
どうかどうか、静かで穏やかな余生を、ご自身と上皇后さまのためだけにお過ごしくださいますよう。