武田鉄矢と浅香唯なら、浅香唯のほうをとるに決まってんじゃん! などとおっしゃるご同輩、こんにちは。館長です。
いや、よもやそんなことを言う愚か者なんていませんよね?
僕以外に。
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エムウェーブ「大人の文化祭」に武田鉄矢を見に行こうと誘われた
先日、熱狂的な武田鉄矢ファンのPおじさんに連れられて「大人の文化祭」@エムウェーブ に行ってきました。
この「大人の文化祭」は、2日にわたって開催されたのですが、前日のゲストは浅香唯。
比べるもんじゃないですけど比べちゃいますけど、浅香唯なら二つ返事でお誘いに乗ったところなのに……。
僕の中の “わざわざ長野市まで見に行く芸能人” の枠には武田鉄矢という人は入ってなかったのです。
人として失礼極まりないですけど。
Pおじさんの “鉄矢愛” はスゴかった!
Pおじさんは、子供の頃に自分で海援隊の『母に捧げるバラード』のレコードを買ったほどの筋金入りのファン。
はっきり言って子供の買う歌じゃないと思うんだ。
また、Pおじさん、歌手・武田鉄矢だけでなく、役者・武田鉄矢も好きで、特に『幕末青春グラフィティ 坂本竜馬』なんかは、ソフト化されていないためわざわざ横浜の放送ライブラリーまで行って視聴してきたんだそうだ。
(Pおじさんによると「音楽:ザ・ビートルズ」ゆえにソフト化が困難らしい)
Pおじさんがそこまでの “テツヤー” だとは、この日までちっとも知りませんでした。付き合い長いのに。
この熱量をもって説得されては、僕だって付き合わないわけにはいきません。
僕とて、そこまで鉄矢を忌避してるわけでもないんですから。
かくして、おっさん2人の長野市までの “ミート・ザ・鉄矢” の旅が始まったのでした。
エムウェーブ。正式名称は長野市オリンピック記念アリーナ。
1998年長野オリンピックのスピードスケート会場として建設され、その後どのように使われてるのかは知りませんでしたが、冬はスケートリンクとして使い、その他は武田鉄矢をお招きするための施設となっていたんですね。
長野県民とはいえ、ここエムウェーブに来たことない人は多いんじゃないかと思います。
よほどのスケート好きか武田鉄矢本人でないかぎり、めったに来ないんじゃないかなぁ……。
エムウェーブ入口。
大人の文化祭は13回目のようですが、今までその存在すら知らなんだ。
これが、エムウェーブの「エムウェーブ」たるゆえん。
断面構造がアルファベットの『M』に似ているため、その愛称となったとのこと。
元来は信州の山並みをイメージした構造だそうで、ヘタすりゃ「山ウェーブ」と呼ばれてたおそれもある。(ない)
来場者の9割はこの「MIU404」のブースが目的。(勝手に断言)
ここのグッズ売り場には、会場で一番の長蛇の列ができていた。
僕はドラマを観てなかったので、まったくピンとこないのでした。
ピンとこないくせに、置いてきぼりもイヤなのでやたらこのブースを眺めてました。
ドラマに登場した「まるごとメロンパン号」というのだそうだ。
やっぱり僕はピンとこなくて、本当にメロンパンを売ってるキッチンカーかと思って財布を用意してました。
ピンとこないくせに、置いてきぼりもイヤなので写真を撮るだけは撮る。
……と、なんとここで、またもや ぴょんちゃん親子 に出会った!(御柱祭のときに続き2度目の奇遇!)
ぴょんちゃんの “源さん大好きっぷり” は知っていたので、僕としては心のどこかに「ぴょんちゃんなら来るかもなぁ」という思いはあったけど、まさか会えるとは思ってなかった。
ぴょんちゃんったら、Myメロンパン号まで持参!
ここまでのハイカロリーな愛を持った人は他にいなかったように思う……(笑)
でもぴょんちゃん、武田鉄矢ショーは見ないで帰るんだって!
そりゃそうだよなぁ、ふつう。 (ふつうってなんだよ!)
「MIU404」に次いで人気だったのがこの「金塊つかみ取り」。
金塊に目がくらんだ老若男女が(←言い方)、我こそは! と並ぶ並ぶ。
もちろん僕も目はくらんだけど、今日は鉄矢が待ってるので遠慮しといた。
制限時間内に7.2kgの金塊レプリカをみごと取り出せたら記念品がもらえる!
見ていた限りでは、およそ女性のほうが成功率が高そうで、この写真の女性が最も早く成功させてた。
かなり手慣れた印象で、おそらく全国各地の「金塊つかみ取り」を回っては賞品をせしめる猛者とお見受けした。
「MIU404」、「金塊つかみ取り」に次ぐ人だかりができてたので何事かと思ったら、花をタダでくれるとのこと。
タダとなると、みんなして寄ってたかって、ひどいありさまじゃないか!
もちろん僕ももらった。タダだもん。
心は卑しいけど花は美しい。
始まる直前にステージに行けば座れるだろう、なんて思って、Pおじさんとは「時間になったら客席付近に集合!」と別行動をとっていた。
そしたらとんでもない! 座れるどころか立つ場所にさえ困るほど!
鉄矢を見くびっちゃいかん。(僕らだけか)
人として人に埋もれ、人として人とはぐれた結果、Pおじさんとはショーが終わるまで合流することはできなかった。
さっき「来場者の9割は MIU404 が目的」なんて書いちゃったけどお詫びして訂正します。
正確には、5割が鉄矢、3割がMIU404、1割が金塊、その他が1割、です(当社調べ)。
とにかく、鉄矢すごい!
登場して3分もたたず人の心を掴んで離さない。
さっきまで「鉄矢ショー? 余裕で座れるっしょ!」なんて言ってた自分はもうそこにはおらず、鉄矢の放つ一言一句を少しもこぼさないよう、真剣になって聴き入っている自分がいた。
聴きながら、どうやったらこんなに人を惹きつけられるのか、その話術・論法を、僕はかなり真面目に考えていた。
考えた結果、いくつかの結論を出してみた。
- 椅子があるのに座らない。
- 座らないことにもいくつかの理由をつけて、その理由さえ小出しにネタにする。
※のちにPおじさんとも話したけど、理由はすべて後付けで、最初から座る気はなかったと思われる。
- 「ここだけの話」をする。(もちろん「ここだけ」にとどまるわけはないだろうことは承知の上で)
- 話の先をどうしても聴きたくなるようにする
※例えば、
「『翼をください』という曲がありますよね。 私、あれが嫌いなんです」
などと言ってみせる。
どうしたって、なぜ嫌いなのか聞かずにおれない。
その理由は『人として』の歌詞の中にもあった。
翼は 愚かな あこがれと気付く
- 伏線→伏線回収が実にうまい。
※1つ1つの出来事は「点」でも、あとで振り返るとそれらが「線」になる。
トークで客を沸かせ、『人として』『新しい人へ』『贈る言葉』の3曲を熱唱したのち、観客からプレゼントをもらうだけもらって鉄矢は去っていった。
最後まで人々を釘づけにして……。
◆
帰りに、併設された「長野オリンピックミュージアム」を見学。
「飛び出す聖火」で遊んでみたり、
原田雅彦選手の「ふなきぃ ふなきぃ~」を見たり、
長野オリンピック開会・閉会式でサマランチ会長が使った演台でスピーチの練習をしてみたり……。
他にこんなことやってる人は誰もいないのに、このおっさん2人だけ、あまり娯楽の無かった昭和の子供のようにはしゃいでいた。
それもこれも、きっと鉄矢が僕らを童心に帰らせたからだろう。
ビバ! 鉄矢!
カムバック! 鉄矢!
◆
帰り道、僕とPおじさんはもっぱら鉄矢のトークの素晴らしさについて話した。
僕は当初「浅香唯なら行くのにぃ!」などと言っていたことを恥じた。恥じ入った。
鉄矢、僕が人として間違っていたよ! 鉄矢なら何度でも長野市まで行く価値あるよ!
すっかり改心した僕を見て、Pおじさんはちょっと満足げだった。
サンキュー 鉄矢!
フォーエバー 鉄矢!